解答骨子・出題根拠を表示
経済産業省が2026-06-02、「蓄電池産業戦略」を「蓄電池・電源産業戦略」に改訂(第8回蓄電池産業戦略推進会議)。AIデータセンター等による電力需要急増を背景に、2030年代半ばまでに150GWh/年の国内製造基盤(マザー工場)確立を目標に掲げた。数値目標(150GWh/年、達成時期「2030年代半ば」)はMETI一次資料(プレスリリース本文・配布資料PDF)で検証済み(2026-08-05)。2026年1月の対日レアアース輸出管理強化も資源調達リスクの根拠として使用。R8-III-2「金属負極を用いた蓄電池の表面・界面課題」と題材は重なるが、あちらは表面技術者視点(Ⅲ)での電極界面の技術課題、本問は金属部門全体視点(必須Ⅰ)での産業政策・製造基盤・資源制約の課題であり、視座と論点が異なる。
(1)の観点例: 資源(調達安定性)=重要鉱物の対外依存とサプライチェーンの脆弱性/品質(量産化)=集電体・電極界面のコーティング均一性と歩留まりの確保/エネルギー(需給)=データセンター増加による電力需給ひっ迫と製造プロセスの省エネルギー化。(2)最重要課題は資源調達安定性 or 品質(受験者の設計次第)。解決策例: 都市鉱山からのリチウム・ニッケル回収技術(湿式製錬・選択的浸出)、代替材料(コバルトフリー正極等)の採用、集電体表面へのめっき・化成処理による界面抵抗低減とインラインセンシングによる品質管理。(3)のリスク例: Type A(新技術固有)=リサイクル原料由来の不純物混入による電池性能低下・内部短絡リスク/Type B(既存技術の適用範囲拡大)=集電体薄膜化に伴うめっき欠陥の見落とし増加/Type C(組織・体制)=急速な設備投資に対する品質保証体制・人材育成の遅れ。(4)技術者倫理(公衆の安全・品質データの信頼性)、資源の持続可能性(3R・資源循環)、将来世代への配慮。
数値目標(150GWh/年、達成時期「2030年代半ば」)は経産省一次資料で検証済み。答案作成時は数値をそのまま引用してよい。必須Ⅰは金属部門全体を見渡す視点が求められるため、表面技術に限定せず、材料選定・資源循環・量産プロセス管理など幅広い専門技術用語を使うこと。R5-I-1・R6-III-1・R8-I-1と資源制約の文脈が連続するため、経済安保の一般論だけで終わらせず、蓄電池・電源産業戦略という今回の新しい政策トピックを主軸に据えること。